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投資信託とは?仕組みとメリット・デメリットを図解でわかりやすく解説

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投資信託とは?仕組みとメリット・デメリットを図解でわかりやすく解説

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執筆者:

公開:

2023.04.02

更新:

2026.07.23

基礎知識

NISAや老後資金への関心から投資を始めたいと思っても、投資信託がどのような商品で、株式やETFと何が違うのか分からず、最初の一歩を踏み出せない人は少なくありません。仕組みやリスクを理解せずに商品を選ぶと、想定外の損失や高い手数料につながる可能性もあります。この記事では、投資信託の仕組みからメリット・デメリット、手数料、税金、種類、選び方、始め方までを具体的に解説します。

サクッとわかる!簡単要約

この記事を読むことで、投資信託でお金が運用される仕組みや、基準価額・純資産総額の見方、株式やETFとの違いを体系的に理解できます。さらに、商品の種類や手数料、リスク、NISA・iDeCoの活用方法を踏まえ、自分の目的や運用期間、リスク許容度に合う商品を判断し、無理のない金額で長期・積立・分散投資を始められるようになります。

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目次

投資信託とは?運用のプロに「おまかせ」できる金融商品

3つの専門機関が連携する「安全な仕組み」が特徴

投資信託とETF・株式投資の違い

「基準価額」で日々の成績を、「純資産総額」でファンドの人気度がわかる

基準価額:投資信託の「値段」そのもの

純資産総額:ファンドの「規模や人気」を示す指標

トータルリターン:本当の運用成績を評価するカギ

投資信託の5つのメリット|少額からプロに「分散投資」を任せられる

1. 100円からでも始められる手軽さ

2. 自動的に「分散投資」となりリスクを抑えられる

3. 投資の専門家(プロ)に運用を任せられる

4. 「複利効果」で雪だるま式に資産を増やせる

5. 情報開示の義務があり、透明性が高い

投資信託の5つのデメリット|元本保証がなくコストもかかる

1. 元本保証がなく、価格変動で損をする可能性

2. 保有しているだけで「手数料」がかかり続ける

3. すぐに現金化できない「流動性の制約」

4. プロに任せても「運用が失敗」する可能性

5. 為替変動・金利変動・インフレの影響を受ける

投資信託の手数料と税金|コストを抑える知識は必須

購入時手数料は「ノーロード(無料)」の投資信託を選ぶのが基本

保有中に毎日かかる「信託報酬」こそ、最も重視すべきコスト

信託報酬だけでは不十分?「隠れコスト」と総経費率もチェック

税金は「NISA」や「iDeCo」の活用で非課税にできる

投資信託基本の3種類:インデックス・アクティブ・バランスファンドとは?

インデックスファンド:市場平均を目指す「安定・低コスト」運用

アクティブファンド:市場平均以上を狙う「積極・高コスト」運用

バランスファンド:自動で資産配分してくれる「おまかせ」運用

投資信託が向いている人

投資信託が向いていない人

投資信託の始め方4ステップ

投資信託とは?運用のプロに「おまかせ」できる金融商品

投資信託(ファンド)とは、多くの投資家から集めたお金をひとつにまとめ、ファンドマネージャーと呼ばれる運用の専門家が株式や債券、不動産(REIT)など国内外の様々な資産に投資・運用する金融商品です。

投資信託の全体像

  1. 投資家はファンドを購入するだけで、専門知識がなくてもプロに運用を任せられ、その成果を基準価額の上昇や分配金として受け取れます。少額から幅広い資産への分散投資が自動的にできるため、リスクを抑えやすいのが大きな特徴です。

投資信託の市場規模は年々拡大しており、資産運用業協会によると、公募投資信託の純資産総額は2026年6月末時点で359兆9,199億円(5,836本)と過去最高を更新しました。NISA制度の拡充を背景に、資産形成の中心的な選択肢として定着しつつあります。

ただし、投資信託は預貯金と異なり元本保証がありません。市場環境によっては基準価額が下落し、元本割れ(投資額を下回ること)が生じる可能性がある点は理解しておきましょう。

出典:一般社団法人資産運用業協会「数字で見る投資信託」

3つの専門機関が連携する「安全な仕組み」が特徴

投資信託の大きな特徴は、投資家から集めた大切なお金が「安全な仕組み」で管理されている点です。販売会社・運用会社・信託銀行という役割の異なる3つの専門機関が連携し、互いにチェック機能を果たしています。

投資信託の説明図

機関役割主な業務
販売会社(証券会社・銀行など)投資家との「窓口」口座開設、購入・換金の受付、分配金の支払い
運用会社(委託会社)投資戦略を決める「司令塔」市場分析、投資先の決定、運用指図
信託銀行(受託会社)資産を守る「金庫番」資産の分別管理、売買の実行
投資信託の関連機関

販売会社:投資家との「窓口」役

投資家が投資信託と出会う最初の接点が販売会社です。証券会社や銀行がこの役割を担い、口座開設や商品の購入・換金といった「窓口」として機能します。投資家からの購入代金を受け取ったり、分配金を支払ったりするのも販売会社の役目です。

運用会社:投資戦略を決める「司令塔」

集まった資金をどのように運用するか、その戦略を立てて指示を出すのが運用会社(委託会社)です。まさにファンドの「司令塔」と言える存在で、経済や企業を分析し、最適な投資先を決定します。この専門的な判断のおかげで、投資家は詳しい知識がなくても運用の恩恵を受けられるのです。

信託銀行:資産を保管・管理する「金庫番」

投資家から集めた大切な資産を、運用会社の資産とは分けて安全に保管・管理するのが信託銀行(受託会社)です。これを「分別管理」と呼び、仮に運用会社や販売会社が破綻しても、投資家の資産は法的に守られます。信託銀行は「金庫番」として、運用会社の指示に基づき株や債券の売買を正確に実行する役割も担っています。

投資信託とETF・株式投資の違い

投資信託を正しく理解するには、似た商品であるETF(上場投資信託)や株式投資との違いを押さえることが近道です。ETFとは、証券取引所に上場し、株式と同じようにリアルタイムで売買できる投資信託を指します。

項目投資信託ETF株式投資
購入場所証券会社・銀行など証券会社のみ証券会社のみ
取引価格1日1回の基準価額リアルタイムの市場価格リアルタイムの市場価格
最低投資額100円程度から数千円〜数万円数万円〜(単元株の場合)
分散投資1本で自動的に分散1本で自動的に分散自分で複数銘柄を購入
自動積立ほぼ全ての金融機関で可能一部の証券会社のみ一部の証券会社のみ
投資信託・ETF・株式投資の違い

積立のしやすさと少額対応では投資信託が優れており、コストの低さと売買の自由度ではETFに軍配が上がります。初心者がコツコツ資産形成するなら、まずは投資信託から始めるのが現実的な選択と言えるでしょう。

「基準価額」で日々の成績を、「純資産総額」でファンドの人気度がわかる

投資信託の状況を把握するには、「基準価額」と「純資産総額」という2つの数字の理解が欠かせません。基準価額は投資信託の値段を、純資産総額はファンドの規模を表します。

さらに、本当の運用成績を評価するには「トータルリターン」という視点も重要です。それぞれの意味と見方を順番に解説します。

基準価額:投資信託の「値段」そのもの

基準価額とは、投資信託の「値段」にあたるもので、一般的に1万口あたりの価格で表示されます。原則として1日1回、組み入れている株式や債券の時価をもとに算出・更新される仕組みです。

  1. 株式のようにリアルタイムでは変動せず、投資家が売買を申し込む時点では約定価格がわからない「ブラインド方式」が採用されています。これは、既存の投資家と新規の投資家の間で不公平が生じないようにするためのルールです。

基準価額については、以下の記事で詳しく解説しています。

純資産総額:ファンドの「規模や人気」を示す指標

純資産総額とは、ファンドが保有する全資産から負債やコストを差し引いた、純粋な資産の合計額です。純資産総額が大きいファンドは多くの投資家から支持されている証であり、運用が安定しやすい傾向にあります。

逆に注意したいのが、純資産総額が小さい、または減少し続けているファンドです。効率的な運用が難しくなり、運用期間の途中で運用が打ち切られる「繰上償還」のリスクが高まります。目安として、純資産総額が右肩下がりのファンドは避けるのが無難でしょう。

トータルリターン:本当の運用成績を評価するカギ

トータルリターンとは、基準価額の値動きに加えて、受け取った分配金も利益として合算した総合的な収益率です。基準価額の動きだけを見ていると、ファンドの本当の運用成績を見誤ることがあります。

なぜなら、分配金を出すとその分だけ基準価額は下がる仕組みだからです。例えば基準価額が下がっていても、分配金を含めれば実質的にプラスというケースは珍しくありません。分配金が出るタイプの投資信託を評価する際は、必ずトータルリターンで判断しましょう。

投資信託の5つのメリット|少額からプロに「分散投資」を任せられる

投資信託の最大のメリットは、少額から、専門家による分散投資を手軽に実現できる点です。個人で数十銘柄の株式に分散投資しようとすると多額の資金と手間がかかりますが、投資信託なら1本で完結します。

具体的なメリットは以下の5つです。

投資信託のメリット

  1. 100円からでも始められる手軽さ
  2. 自動的に「分散投資」となりリスクを抑えられる
  3. 投資の専門家(プロ)に運用を任せられる
  4. 「複利効果」で雪だるま式に資産を増やせる
  5. 情報開示の義務があり、透明性が高い

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 100円からでも始められる手軽さ

投資信託は、ネット証券などでは100円や1,000円といった少額から購入できます。まとまった資金がなくても気軽に始められるため、投資デビューのハードルが低いのが魅力です。

  1. 毎月決まった金額を自動で買い付ける「積立設定」を使えば、給料日後に自動的に投資へ回す仕組みも作れます。少額でも早く始めるほど運用期間を長く確保でき、後述する複利効果を活かしやすくなります。若いうちから資産形成を習慣化しやすい点は、大きなメリットと言えるでしょう。

2. 自動的に「分散投資」となりリスクを抑えられる

投資信託は、1つの商品で国内外の数十〜数百の株式や債券などに投資するため、自然と分散投資が実現します。分散投資とは、値動きの異なる複数の資産に資金を分けることで、全体の価格変動を抑える投資手法です。

投資先の一つの業績が悪化しても、他の投資先がカバーすることで基準価額の変動は緩やかになります。例えば全世界株式型の投資信託なら、1本で数千銘柄に分散されるものもあり、個人では到底実現できない規模の分散効果を得られます。

3. 投資の専門家(プロ)に運用を任せられる

投資の知識や時間がない初心者でも、プロのファンドマネージャーが経済や企業を分析し、投資判断を代行してくれます。銘柄選びや売買のタイミングに悩む必要がなく、本業や生活に集中しながら資産運用を続けられるのが強みです。

  1. また、個人では情報収集が難しい海外の株式や債券、新興国市場などにも、専門家を通じて手軽に投資できます。投資対象の選択肢が世界中に広がる点は、投資信託ならではの価値と言えるでしょう。

投資信託を活用した「ほったらかし投資」も検討する価値があります。詳しくは、こちらの記事を参考にしてみてください。

4. 「複利効果」で雪だるま式に資産を増やせる

複利効果とは、運用で得た利益を再投資することで、利益がさらに利益を生む仕組みのことです。投資信託では、分配金を出さずにファンド内部で再投資するタイプを選ぶと、この複利効果を最大限に活かせます。

例えば100万円を年率5%で運用できた場合、単利では30年後に250万円ですが、複利なら約432万円まで増える計算です。運用期間が長いほど差は加速度的に開くため、長期保有を前提とするなら「分配金なし(再投資型)」の投資信託が合理的な選択になります。

5. 情報開示の義務があり、透明性が高い

投資信託は、法律に基づく情報開示(ディスクロージャー)が義務付けられた透明性の高い金融商品です。商品の目的やリスク、手数料を記載した「目論見書」や、運用状況を報告する「運用報告書」が必ず作成・交付されます。

さらに基準価額や純資産総額は毎営業日公表されるため、自分の資産状況をいつでも確認できます。仕組みが不透明な投資商品と異なり、詐欺的な商品をつかまされるリスクが構造的に低い点も、初心者に適している理由の一つです。

投資信託の目論見書・運用報告書については、こちらの記事で詳しく解説しています。

投資信託の5つのデメリット|元本保証がなくコストもかかる

投資信託のデメリットは、元本保証がないことと、保有している間ずっとコストがかかり続けることの2点に集約されます。便利な商品である一方、弱点を理解しないまま始めると「思ったより増えない」「損をした」と後悔しかねません。

注意すべきデメリットは以下の5つです。

投資信託のデメリット

  1. 元本保証がなく、価格変動で損をする可能性
  2. 保有しているだけで「手数料」がかかり続ける
  3. すぐに現金化できない「流動性の制約」
  4. プロに任せても「運用が失敗」する可能性
  5. 為替変動・金利変動・インフレの影響を受ける

順番に対策とあわせて解説します。

1. 元本保証がなく、価格変動で損をする可能性

投資信託には、預金と違って元本保証がありません。市場の状況次第で基準価額が下落し、投資した金額を下回る「元本割れ」のリスクがあります。特に株式を多く含むファンドは値動きが大きくなる傾向があり、短期間で10〜20%程度下落することも珍しくありません。

対策としては、長期・積立・分散を徹底することが有効です。購入時期を分ける積立投資なら、価格が高いときは少なく、安いときは多く買う「ドル・コスト平均法」の効果で、平均購入単価を平準化できます。

積立投資とドルコスト平均法の仕組みやメリットについてくわしく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

2. 保有しているだけで「手数料」がかかり続ける

投資信託は、購入時の「購入時手数料」のほか、保有期間中ずっと「信託報酬」という運用管理費用が毎日差し引かれます。信託報酬は基準価額から自動控除されるため支払っている実感が湧きにくく、「見えないコスト」として長期リターンをじわじわと押し下げます。

  1. 運用成績がマイナスの年でも信託報酬は必ず引かれる点にも注意が必要です。対策はシンプルで、同じ投資対象ならできる限り信託報酬の低い商品を選ぶことです。この一手間が、数十年後の手取り額を大きく左右します。

3. すぐに現金化できない「流動性の制約」

投資信託は株式のようにリアルタイムで売買できず、換金を申し込んでから実際に代金を受け取るまで、国内資産型で3〜4営業日、海外資産型では1週間程度かかる場合があります。急な出費にすぐ対応できない点は、預金にはないデメリットです。

また、一部のファンドには解約できない「クローズド期間」が設定されていることもあります。生活費や近い将来使う予定のあるお金ではなく、当面使う予定のない「余裕資金」で投資するのが大原則です。

4. プロに任せても「運用が失敗」する可能性

プロが運用するからといって、必ず利益が出る保証はありません。市場全体が下落する局面では、優秀なファンドマネージャーでも損失を避けるのは困難です。

  1. 特に注意したいのが、市場平均超えを目指すアクティブファンドの成績です。高い信託報酬を払っているにもかかわらず、長期では多くのアクティブファンドが市場平均(インデックス)に負けているという調査結果が、国内外で繰り返し報告されています。「プロに任せる=必ず儲かる」ではないと理解したうえで、コストに見合う価値があるかを冷静に見極めましょう。

投資信託以外の商品について知りたい場合は、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。

5. 為替変動・金利変動・インフレの影響を受ける

海外資産に投資する投資信託は、為替レートの変動によって基準価額が上下します。例えば円高が進むと、投資先の株価が上がっていても円換算のリターンは目減りする可能性があります。為替の影響を抑えたい場合は「為替ヘッジあり」の商品も選べますが、ヘッジコストがかかる点は把握しておきましょう。

また、金利が上昇する局面では債券価格が下落しやすいため、債券中心のファンドは基準価額が下がる傾向があります。インフレ(物価上昇)が続くと現金の実質価値も目減りするため、資産や地域を分散させてリスクを管理することが重要です。

インフレの影響ついて知りたい場合は、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。

投資信託の手数料と税金|コストを抑える知識は必須

投資信託で成果を出すには、リターンを高める工夫よりも先に、確実にコントロールできる「コスト」と「税金」を最小化することが重要です。将来のリターンは不確実ですが、手数料と税金は自分の選択で確実に減らせます。

ここでは、代表的な3つの手数料と税金の仕組み、そして非課税制度の活用法を整理します。

コストの種類支払うタイミング水準の目安
購入時手数料購入時に1回0〜3%程度(ノーロードなら無料)
信託報酬保有期間中毎日年率0.05%台〜2%程度
信託財産留保額解約時に1回0〜0.3%程度(ないファンドも多い)
投資信託の手数料と税金

購入時手数料は「ノーロード(無料)」の投資信託を選ぶのが基本

購入時手数料とは、投資信託の購入時に販売会社へ支払う初期コストで、購入額の0〜3%程度が一般的です。例えば手数料3%の商品を100万円分購入すると、3万円が差し引かれ97万円分からの運用スタートになります。

現在は購入時手数料が無料の「ノーロードファンド」が主流で、ネット証券では基本の選択肢です。NISAのつみたて投資枠の対象商品は、制度上すべてノーロードに限定されています。同じ商品でも販売会社によって手数料が異なる場合があるため、購入前に必ず確認しましょう。

ノーロードファンドについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

保有中に毎日かかる「信託報酬」こそ、最も重視すべきコスト

信託報酬とは、投資信託の保有中に資産から毎日差し引かれる運用管理費用で、長期リターンに最も大きく影響するコストです。年率で表示され、低コストのインデックスファンドでは0.1%を下回る商品もある一方、アクティブファンドでは1%を超えるものも少なくありません。

  1. わずかな差に見えても、長期では無視できない金額になります。試算として、100万円を30年間、年率5%で運用できた場合は約432万円ですが、信託報酬が0.1%高く実質4.9%になると約420万円です。たった0.1%の差が、約12万円の手取り差につながる計算になります。

投資信託選びでは、リターンの予想より先に信託報酬を比較する習慣をつけましょう。

信託報酬だけでは不十分?「隠れコスト」と総経費率もチェック

投資信託の実際のコストは、信託報酬だけではありません。ファンド内部で発生する売買委託手数料や監査費用、海外資産の保管費用などは「隠れコスト」と呼ばれ、信託報酬に上乗せする形で投資家が実質的に負担しています。

これらを含めた実質的なコスト水準は「総経費率」という指標で確認でき、現在は交付目論見書にも記載されるようになりました。信託報酬が同水準の商品で迷ったら、運用報告書や目論見書で総経費率まで比較するのが、専門家も実践するコストチェックの方法です。

税金は「NISA」や「iDeCo」の活用で非課税にできる

投資信託の売却益や分配金には、原則20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の税金がかかります。

この税金をゼロにできるのが、国の税制優遇制度であるNISAとiDeCoです。

  • NISA(少額投資非課税制度):運用益が無期限で非課税。年間投資枠はつみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円で、生涯の非課税保有限度額は1,800万円。いつでも引き出せるため、幅広い目的の資産形成に向いています。
  • iDeCo(個人型確定拠出年金):運用益非課税に加え、掛金が全額所得控除の対象となり、所得税・住民税も軽減。原則60歳まで引き出せないため、老後資金の準備に特化した制度です。

投資信託を始めるなら、まず非課税制度の枠内から使うのが鉄則です。

なお、NISAの利用は急速に拡大しており、金融庁によると2025年12月末時点の口座数は約2,826万口座、累計買付額は約71兆円に達しています。

出典:金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果(令和7年12月末時点(速報値))

投資信託基本の3種類:インデックス・アクティブ・バランスファンドとは?

投資信託は、運用方針によって大きく「インデックスファンド」「アクティブファンド」「バランスファンド」の3種類に分けられます。それぞれの特徴を知ることが、自分の目的やリスク許容度に合った商品を選ぶ第一歩です。

種類運用方針信託報酬向いている人
インデックス市場平均(指数)に連動低い(0.1%前後〜)コスト重視の初心者
アクティブ市場平均超えを目指す高い(1%超も多い)リターン重視の経験者
バランス複数資産に自動配分やや高め配分に悩みたくない人

投資信託の運用方式、アクティブ運用とパッシブ運用については以下の記事で詳しく解説しています。

インデックスファンド:市場平均を目指す「安定・低コスト」運用

インデックスファンドとは、日経平均株価や米国のS&P500といった「指数(インデックス)」への連動を目指す投資信託です。最大のメリットは信託報酬が非常に安いことで、市場全体に投資するため大きな失敗が起こりにくい特徴があります。

その反面、市場平均を上回るリターンは狙えません。それでも、コストを抑えて市場全体の成長をコツコツ享受するこの手法は、長期の資産形成における王道です。金融庁がつみたて投資枠の対象として届出を受けている353本(2026年4月30日時点)のうち、大半をインデックス型が占めていることからも、その位置づけがわかります。

出典:金融庁「つみたて投資枠対象商品」

インデックスファンドについては以下の記事で詳しく解説しています。

アクティブファンド:市場平均以上を狙う「積極・高コスト」運用

アクティブファンドとは、運用の専門家が独自の分析に基づき、指数を上回るリターンを目指す投資信託です。運用がうまくいけば市場平均を大きく超える利益が期待できる一方、調査費用がかさむため信託報酬は高めに設定されています。

注意すべきは、高いコストを払っても市場平均に負ける可能性が十分あることです。選ぶ場合は、運用方針に一貫性があるか、信託報酬控除後のトータルリターンが長期でインデックスを上回っているかを確認しましょう。特定のテーマや運用哲学に共感し、コストを払ってでも高いリターンを狙いたい人向けの選択肢です。

アクティブファンドについては、以下の記事で解説しています。

バランスファンド:自動で資産配分してくれる「おまかせ」運用

バランスファンドとは、国内外の株式や債券、REITといった複数の資産を、あらかじめ決められた比率で組み合わせた投資信託です。1本購入するだけで世界中の資産への分散投資が完了し、資産配分の調整(リバランス)も自動で行われます。

便利な分、同じ資産構成を自分でインデックスファンドを組み合わせて再現する場合より、信託報酬はやや割高な傾向があります。「何にどれくらい投資すればよいかわからない」「手間をかけたくない」という初心者が、最初の1本として選ぶのに適した商品と言えるでしょう。

バランスファンドについては以下の記事で詳しく解説しています。

投資信託が向いている人

投資信託が向いているのは、少額から長期でコツコツ資産形成をしたい人です。100円程度から購入でき、1本で数百銘柄への分散投資が完了するため、投資に割ける時間や知識が限られていても無理なく続けられます。

具体的には、以下のような人に適しています。

投資信託が向いている人

  1. 毎月の収入から少額ずつ積立投資をしたい人
  2. 銘柄分析や売買のタイミング判断をプロに任せたい人
  3. NISAやiDeCoの非課税制度を活用して効率的に資産を増やしたい人
  4. 老後資金や教育資金など、10年以上先の目標に向けて準備したい人

特にNISAのつみたて投資枠は投資信託が中心の制度設計になっており、長期の資産形成と投資信託の相性は制度面からも裏付けられています。

投資信託が向いていない人

一方、短期間で大きな利益を狙いたい人に投資信託は向いていません。基準価額の更新は1日1回のため、値動きを見ながらリアルタイムで売買する取引ができないからです。

次のような人は、別の選択肢を検討したほうがよいでしょう。

投資信託が向いていない人

  1. 数日〜数週間の短期売買で利益を狙いたい人
  2. 銘柄選びや売買判断を自分の裁量で行いたい人
  3. 数年以内に使う予定のあるお金しか手元にない人

短期売買や裁量取引をしたい場合は、株式の個別銘柄投資やETFのほうが目的に合います。また、近い将来使うお金しかない場合は、元本割れリスクを踏まえると預貯金を優先すべきです。自分の目的と資金の性格を確認してから、投資信託を活用するか判断しましょう。

投資信託の始め方4ステップ

投資信託は、以下の4ステップで今日からでも始められます。初心者がつまずきやすいポイントとあわせて解説します。

投資信託の始め方

  1. 金融機関を選んで口座を開設する
  2. NISA口座を同時に申し込む
  3. 商品を選ぶ
  4. 積立設定をして運用を続ける

ステップ1の金融機関選びでは、取扱本数が多く手数料の安いネット証券が有力候補です。ステップ2では、運用益が非課税になるNISA口座を必ずセットで開設しましょう。

ステップ3の商品選びでは、「投資対象(全世界株式・米国株式など)」と「信託報酬の低さ」の2軸で絞り込むと迷いにくくなります。最後に毎月の積立設定をすれば、あとは自動で買い付けが続く仕組みの完成です。短期の値動きに一喜一憂せず、長期目線で続けることが成功の最大のコツと言えます。

この記事のまとめ

この記事では、投資信託の基本的な仕組み、株式やETFとの違い、メリット・デメリット、手数料や税金、代表的な商品の種類について整理しました。投資信託は少額から分散投資を始めやすい一方、元本保証はなく、商品ごとにコストや値動きが異なります。まずは投資の目的と使う予定のない資金を確認し、信託報酬や投資対象を比較したうえで、NISAなどを活用して無理のない積立額から始めましょう。

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柴田充輝

金融系ライター

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

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証券化とは、もともと流動性の低い資産(すぐに現金化しにくい資産)をもとに、将来得られる収益を裏付けとして、投資家向けに売買可能な証券を発行する仕組みのことです。わかりやすく言えば、「資産を金融商品に変える」手法です。 たとえば、住宅ローンやオートローン、売掛金、不動産などから将来得られる返済や収入をまとめて、それを担保とした「資産担保証券(ABS)」を発行し、投資家に販売します。これによって、企業は本来すぐに現金化できない資産を活用して資金を調達できるようになります。 証券化された商品は、複数の資産をまとめて分散効果を持たせたり、信用リスクを分割・構造化することもできるため、機関投資家向けの高度な金融商品として発展してきました。一方で、2008年のリーマン・ショック時には、住宅ローン担保証券(MBS)の過剰な証券化が信用不安を拡大させた側面もあり、リスク管理の重要性も同時に認識されています。 証券化は、資産の有効活用・流動性向上・資金調達の多様化といった観点で、現代の金融市場における重要な金融技術のひとつです。

増配

増配とは、企業が前期より一株当たりの年間配当金を増額することであり、利益成長や手元資金の潤沢さを背景に株主還元を強化する意思表示として行われます。配当金が増えると、株価が一定でも年間配当金を株価で割った配当利回りが上昇するため、インカムゲインを重視する投資家にとっては大きな魅力となります。特に連続増配年数が長い企業は、景気変動下でも安定したキャッシュフローを維持できる経営体質だと評価されやすく、株式の長期保有を促す材料にもなります。 もっとも、増配は企業の資本政策の一手段であり、好業績時でも将来の成長投資を優先する局面では実施されない場合があります。反対に、業績悪化が続けば配当を前年と同額に据え置く、あるいは前期より減額する減配に転じるリスクもあります。投資家は配当の持続可能性を測る指標として、配当総額を当期純利益で割った配当性向や、営業キャッシュフローとのバランスを確認し、企業に増配余力があるかどうかを見極めます。 このように増配は、企業の収益力と株主還元姿勢を映し出すシグナルであり、配当利回りや配当性向、減配・据え置きの動向と合わせて分析することで、株式投資の判断材料として活用できます。

分配金

分配金とは、投資信託やREIT(不動産投資信託)などが運用によって得た収益の一部を、投資家に還元するお金のことです。これは株式でいう「配当金」に似ていますが、分配金には運用益だけでなく、元本の一部が含まれることもあります。そのため、分配金を受け取るたびに自分の投資元本が少しずつ減っている可能性もあるという点に注意が必要です。分配金の有無や頻度は投資信託の商品ごとに異なり、毎月、半年ごと、年に一度などさまざまです。投資初心者にとっては、「お金が戻ってくる」という安心感がありますが、長期的な資産形成を考えるうえでは、分配金の出し方やその内容をしっかり理解することが大切です。

有価証券

有価証券とは、財産的価値を裏づける権利が紙や電子データそのものに具体化された証券類を指します。金融商品取引法第2条では「第一項有価証券(株式・社債など)」「第二項有価証券(投資信託受益証券など)」に分類され、さらに商法や手形法でも定義が設けられています。現在は株券不発行制度や「ほふり(証券保管振替機構)」による電子化が進み、一般の投資家が実物の証券を受け取る場面はほとんどありません。 有価証券は、大きく ①資金調達・投資対象としての証券 と ②決済・信用補完を目的とする証券 に分けられます。前者には株式、社債、国債、投資信託受益証券、ETF(Exchange Traded Fund〈上場投資信託〉)などが含まれ、保有者は配当金や利息、値上がり益を得る可能性があります。後者には約束手形や小切手が該当し、主に企業間の支払い手段として流通しますが、一般的な投資対象にはなりにくい点が前者と大きく異なります。 企業や政府は有価証券を発行して広く資金を集め、投資家は将来得られるリターンを期待して取得します。その価格は市場の需給、金利水準、発行体の信用力などで日々変動するため、価格変動リスクと引き換えに収益機会を得られることが資産運用上の魅力です。ただし、譲渡益や配当・利息には原則として20.315%の申告分離課税がかかり、上場株式や公募投信は時価評価が会計基準でも義務づけられるなど、税務・会計・金融規制の面でも厳格なルールが設定されています。 このように有価証券は、金融市場を通じて資金を循環させる中心的なインフラであり、個人投資家にとっては資産形成の主軸となる一方で、法律・税務・会計の枠組みによって権利が保護され、リスク管理が図られている点が大きな特徴です。

オープンエンド型投資信託

オープンエンド型投資とは、会社が運用期間中に払い戻しに応じ、いつでも換金可能な投資信託のこと(対義語:クローズドエンド型投資信託)。投資家が換金を希望する場合は、いつでも会社は基準価格で株式を買い戻す契約となっている。オープンエンド型投資のメリットとしては、投資家側はいつでも換金の保障があるという安心感を感じられることが挙げられるが、いつ買戻し請求があってもいいようにするために会社側にコストがかかり、結果として利回りが低くなるというデメリットがある。

基準価額(NAV)

NAV(基準価額)とは、投資信託やETFなどが保有する資産の「1口あたりの価値」を示す指標です。英語ではNet Asset Valueと呼ばれ、ファンドの純資産総額から負債を差し引き、発行口数で割って算出されます。投資信託の価格の基本となるもので、投資家が保有している資産の時価を把握する際の中心的な指標です。 通常の投資信託では、この基準価額は1日に1回(多くの場合、取引終了後)に算出されます。そのため、日中の値動きは反映されず、翌営業日に公表される形になります。一方で、ETFの場合も同様のNAVが算出されていますが、これは「取引日の理論的終値」を示すもので、リアルタイム取引用にはiNAV(インディカティブNAV)が補完的に使われます。 NAVの値は、ファンドが保有する株式・債券・コモディティなどの時価評価額や、分配金・費用(信託報酬など)を反映して計算されます。そのため、市場の変動や為替の影響により日々変化します。投資家はこのNAVをもとに、「ファンド全体の価値がどの程度増減しているか」を把握することができます。 ただし、NAVはあくまで算出時点の理論価格であり、市場での売買価格(ETFの取引価格や投資信託の購入・解約価格)とは必ずしも一致しません。特にETFでは、取引時間中に市場価格がNAVから乖離することがあります。 まとめると、NAVはファンドの「公的な時価」を示す指標であり、投資信託・ETF双方の基準となる価格です。ETFの場合はこれに加え、リアルタイムの理論値であるiNAVを組み合わせることで、投資家はより正確に市場状況を把握できます。

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